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紫外線殺菌の概要

紫外線は目に見える光や電波と同じ電磁波の仲間で、本体は波と光子して扱われるエネルギーです。同じ電子波でありながら電波、可視光線、紫外線、赤外線と名称が異なるのは、それぞれの波長が異なり、それぞれが持つエネルギーも異なり、作用効果も全く異なるからです。

紫外線は100nmから400nmの波長領域にある光で、目に見えませんが様々な化学反応を起こします。多くの作用の中に、殺菌とオゾン生成があります。

紫外線は遺伝子(DNA)の配位を狂わせ、細胞のメタボリズムを妨げて微生物を殺します。その効果は図1に示すように波長に依存し、図からわかるようにDNAの吸収スペクトルと紫外線の殺菌効果曲線は重なっています。ピークは波長が260nm近辺にあります。DNAスペクトルは短波長側で上昇しています。多分殺菌力も短波長側が高くなることが予想されます。偶然でしょうが、面白いことに殺菌カーブとオゾンに分解カーブ(吸収スペクトル)はよく似ています。

紫外線殺菌には表1に示すような長所と短所があります。対象物にはほとんど影響を与えず、短時間で効果のあるところが、食品加工に適用する上で一番評価されるところです。
表1.紫外線殺菌の長所と短所
長所 短所
1.菌に耐行性を作らない
2.対象物にほとんど変化を与えない
3.管理が容易で、自動運転に適する
4.処理時間が極めて短い
5.残留しない
1.残留効果がない
2.効果が表面のみに限られる
3.遮蔽物があると効果がない
表2.3-log殺菌に必要なUV露光量

微生物は生物なので時間と共に繁殖します。例えば無機物は50%除去すると、その効果は持続します。しかし、微生物は50%除去しても早い時は数十分で元の数に戻り、そのまま繁殖を続けます。有効な殺菌率は使用目的や周囲の条件により変わりますが、現在は、99.9%の殺菌率を採用することが実用的とされています。99.9%は3-log若しくは3Dとも表示されます。

微生物の殺菌に必要な紫外線量は対象菌によって異なります。表2に代表的な微生物を3-log殺菌する時に必要な殺菌線の値を示します。表の値は多くの研究者の文献から収録したもので、試験条件は実装置の条件と異なるので、表2の値と実機の所要紫外線の値は必ずしも一致せず、実機は数倍必要になります。

菌種 UV量
大腸菌 6.5
枯草菌(芽胞) 21.6
赤痢菌 33.2
黄色ブドウ球菌 4.3
馬鈴薯金 9.3
レジオネラ菌 17.9
インフルエンザウイルス 3.4*1
菌種 UV量
クリプトスポリジウム(感染力) 10
〃(不活化) 8,700
日本酒酵母 19.6
ビール酵母 18.8
緑色胞子(チーズ類) 39.0
黒色胞子(全食品) 396

 

UV量の単位:mJ/cm2=mW・sec/cm2
*1:殺菌率90%の場合となります。