技術紹介Technical

水処理促進酸化水処理装置

UV酸化技術で水をキレイに

多くの廃水には、ダイオキシン、環境ホルモン、農薬など発がん性があり分解しにくい化合物難分解性物質が多く含まれています。水資源の循環再利用の重要性が高まるなか、難分解物質を効果的に低ランニングコストで処理できる廃水処理技術が求められています。
従来からある酸化剤による酸化分解処理に紫外線(を併用すると、極めて強い
(OHラジカルの生成が促進されます。
UVと酸化剤を併用する水処理技術は促進酸化法(AOP)と呼ばれ、世界的に求められています。AOPは、ヒドロキシルラジカルの生成促進と有害物の分解度を高めて、低いランニングコストで難分解性物質の分解、アンモニア性窒素の除去、除鉄・除マンガン等に高い効果を示し、水の再利用に貢献する水処理技術です。
AOPはスラッジが出来ない上に、薄膜ろ過と比べて、使用済み膜の廃棄物が出ないので、真に環境負荷の少ない技術です。

UV促進酸化水処理技術に適した原水の汚染濃度範囲

SSなどの浮遊成分は紫外線の透過率を大きく妨げます。その他に炭酸イオンはヒドロキシラジカルを無効消費する妨害物質(スカベンジャー)となるので、事前に除去する必要があります。妨害物質でなくても高濃度の汚濁の処理には光酸化は効率が悪いため、他の技術の前処理で濃度を低下させることにより、全体の浄化効率を高めることが有効です。光酸化技術は低濃度領域で高い効率を示し、反応速度も落ちません。

表1.UV AOP納入実績(システムから光源まで2005年4月現在

系統 適用分野 業種 処理内容 実績数
用水系 純水 電子産業、めっき工業 TOC分解

2

地下水 食品製造業、工業全般 高度酸化、脱色 34
景観用水 景観施設 藻類抑制、脱色 45
浴槽水 浴場 殺菌、有機物分解 44
プール水 プール 殺菌、有機物分解 45
中水 簡易トイレ、浄化槽施設 脱色、脱臭 12
排水系 排水 工業全般 高度COD処理 16
飲料水製造、染色業 脱色 9
めっき工業 シアン含有廃水 2
公共施設 ダイオキシン 13
工業全般 その他 8

【自動洗浄ワイパー】

AOP装置は水質の悪い水を処理することが多いので、ランプ保護用の石英ガラスジャケットを洗浄する必要がある場合があります。ジャケットに汚れが付くのはゆっくりしているので、ワイパーは連続的に稼働する必要はありません。海水における実績では、一日に10数分稼動させれば長期間汚れることはありませんでした。UV促進酸化装置には、自動洗浄装置をオープションで備えています。写真左はワイパー駆動部の内部構造。写真右は槽内のワイパー本体を取り出したところ。

低圧ランプUV水中光源/UT管
低圧ランプUV/オゾン水中光源/ユーゾン管Ⓣ
高圧ランプUV水中光源/高圧水銀ランプ

UV水中光源は、光源をそのまま水などの液体に浸漬して使えるように設計されたランプです。高圧水銀ランプの発光管温度は、点灯中は700-800℃に達します。一方の低圧水銀ランプの発光管温度は50-200℃ですが、紫外放射の強さが発光管温度の影響を強く受け、両ランプともそのまま裸で液体に入れることは出来ません。
UV水中光源は石英ガラス製のジャケットとランプが一体化されているので、そのまま液中に浸漬して発光させられます。

  電気定格 寸法定格 適合
ランプ
適合電源*3
型名 電力
(w)
管径*1
(mmφ)
FL下*2
(mm)
発光長
(mm)
電源 安定器
UT20 20 29 475 280 UVL20DH UVB20 UVB20 EDD-20100AB1
UT40 25 29 685 380 SUV40DH UVB40 REHL 40100A(B)
UT70 50 29 885 580 SUV70DH   RA/C1101H
RB/D1101H
UT90 65 29 1,185 880 SUV90DH  
UT110 95 29 1,409 1,100 SUV110DH UVB110
UT2001N 200 32 1,755 1,500 SUV200DH   SEU2002SB5

*1:ランプ保護管(石英ジャケットの外径。)
*2:固定フランジの面下部からジャケット底部までの寸法。
*3 適合電源:卓上型の実験用電源、安定器はランプ制御用バラスト。

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