技術紹介Technical
HACCPの理念に適合する紫外線殺菌技術
~加熱や塩素のように食品の味・質を変えない食品の安全・安心を作る紫外線殺菌~
紫外線表面殺菌装置
表面殺菌の対象
| 平面体 | ・フィルム ・容器の蓋 ・トレー |
| 立体 | ・容器:紙・アルミ・プラスチック ・キャップ:薬品壜・ビール瓶 ・食品:切り餅・ハム・ソーセージ ナッツ類・蒲鉾・たらこ |
表1.3-log殺菌に必要なUV露光量
| 菌種 | 紫外線量 |
|---|---|
| クリプトスポリジウム(感染力不活化) | 10 |
| 〃(不活化) | 8700 |
| 大腸菌 | 6.5 |
| 赤痢菌 | 4.3 |
| 黄色ブドウ球菌 | 9.3 |
| 馬鈴薯菌 | 17.9 |
| 枯草菌 | 21.6 |
| 枯草菌(芽胞) | 33.2 |
| 日本酒酵母 | 19.6 |
| ビール酵母 | 18.8 |
| レジオネラ菌 | 4.0 |
| インフルエンザウィルス | 3.4(90%) |
| 緑色胞子(チーズ類) | 39.0 |
| 黒色胞子(全食品) | 396.0 |
殺菌に必要なUV露光量
表1の値は常温、常湿の場合を示しますが、湿度が高くなると菌の抵抗力が増大します。したがって、相対湿度が100%に近い場合は、表1に示す値の2倍程度の照射量が必要になります。
切り餅の表面殺菌とその効果
ラップした切り餅の表面殺菌は、表面殺菌の中でも代表的成功例です。色々な素材の透明フィルムがありますが、同じ透明なフィルムでも殺菌線をまったく透過させない素材もあれば、よく透過する素材もあります。紫外線を透過するフィルムで餅をラップして外から殺菌すると、表面は殺菌され、後はフィルムに守られて中身は汚染されず、カビも生えず長持ちします。
試験方法と結果
フィルムで包装した切り餅を両面から紫外線照射して殺菌した。無処理のものと一緒に室内に放置して経過を観察。未処理の試料1、2は約一週間でカビが発生した。その後三ヶ月経過した後も、UV照射した切り餅は写真のようにカビは発生しなかった。
現在、フィルム包装の上から紫外線殺菌された餅は、長期間カビが発生しないので、スーパーなどは、UV殺菌をしていない製品は受取らないようになっています。
1.3-log殺菌に必要なUV露光量
| 材料名 | 厚さ(mm) | 透過率(%) |
|---|---|---|
| 高圧ポリエチレン 低圧ポリエチレン |
0.080 0.055 |
61.0 21.0 |
| ポリプロピレン(透明) | 0.055 | 71.5 |
| ポリエステル ポリカーボネート ポリアミド ポリスチレン |
0.050 0.030 0.035 0.050 |
0.5 5.5 38.0 0.5 |
| プレインセロファン 防湿セロファン |
0.020 0.025 |
68.2 73.2 |
| 溶融石英ガラス 窓ガラス板 |
2.5 1.0 |
90 0 |