技術紹介Technical
表面処理UV照射とUV露光量
UVは可視光より波長が短く、現在は表1に示されるように100nmから400nmまでの光と定義され、主要な作用に応じて三つの領域に区分されています。低圧UVランプは185nm線と254nm線の2波長が主要波長で、高圧UVランプは365nm線が主要波長です。
表1.UVの波長領域と区分
X線 | UV | 可視光 | 赤外線 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
UV-C | UV-B | UV-A | ||||
λ(nm) | 100 | 280 | 315 | 400 | 780 | |
Energy | ||||||
(kJ/mol) | 1196 | 427 | 380 | 299 | 153 | |
(eV) | 12.4 | 4.9 | 3.3 | 3.1 | 1.6 |
紫外線(UV)を扱うときは、数値管理のためにUVの主要波長のエネルギー値、特にUV照度とUV露光量の値を知る必要があります。UV照度は面のある点に入射した放射束を面積で割ったもので、単位はW/m2です。UV露光量は所定の作用時間、面のある点に照射されたUV照度と時間の積分値で、単位はJ/m2です(UV露光量(J/m2)=UV照度(W/m2)×作用時間(s)。
しかし長さ(m)や照度(W)の単位は量が大きく使い難いので、現場ではUV露光量(mJ/cm2)やUV照度(mW/cm2)の単位が主に使われます。
UV照度やUV露光量の測定は、特定の波長しか測れません。最近では、254nm, 365nm, 185nm, 172nmを主に、400nm領域に数種類の照度計が市販されています。UVの測定で注意することは、UV照度計やUV露光計の確度が非常に悪いことです。原因は確度の高い公的標準光源が紫外線領域には無いためです。メーカーの異なるUV計器の値を比較すると、4倍も異なる例があります。ただし計器の精度は高く信頼できます。したがって、UV照度やUV露光量の数値を記録して、他者と比較するときは用いた計器のメーカー名を明記して、比較に備える必要があります。表2はUV表面処理に使われる主要波長とそのエネルギー値を示したものです。
表2.低圧UVランプとエキシマランプの主要波長とそのエネルギー
低圧UVランプ | Xeエキシマランプ | 高圧UVランプ | |||
---|---|---|---|---|---|
発光波長(nm) | 185 | 254 | 172 | 365etc | |
エネルギー | (kJ/mol) | 647 | 472 | 696 | 328 |
(eV) | 6.7 | 4.9 | 7.2 | 3.4 |