技術情報 オゾンと紫外線

ホーム > 技術情報 > オゾンと紫外線

表面処理

オゾンと紫外線

オゾンには紫外線と同じように殺菌力があり、脱臭や有機化合物を分解する能力をも併せ持っています。工業的には無声放電で作られることが多いのですが、紫外線でも作る事ができ、環境衛生の世界では非常に有用なガスです。現在、殺菌に使われるランプの主力は低圧水銀ランプで、石英ガラスで作られるものと特殊なガラスで作られた殺菌ランプがあります。石英型低圧水銀ランプが放射する光は、90%以上が185nmと254nmの2本の短波長紫外線で、面白いことに2本の紫外線には、次の式に示すように、オゾンの生成と分解に関わりがあります。
①O2+hν(185nm)→O(3P)+O(3P)
②O2+O(3P)+M→O3
③O3+hν(254nm)→O2+O(1D)
④O3→O2+O(3P)
ここで、hνは光を、括弧内の数値は波長、(3P)は基底状態の原子、(1D)は励起状態の原子を示します。
①②式は185nmの紫外線は、空気中の酸素を分解してオゾンを作り、③式はそのオゾンを254nm線が分解して活性酸素を作る事を示しています。

④式はオゾンが自然分解することを示しています。オゾンは一般的に不安定なものと考えられていますが、乾燥した空気中では寿命(半減期)が十数時間、純水中でも約20分と以外に長く、しかも自然分解できる酸素原子は基底状態の反応力の弱いものです。

254nmの紫外線はオゾンをm秒以下の速さで分解し、しかも反応力の強い活性酸素原子を作るので、それをオゾンの促進反応と呼んでいます。このことが石英製低圧水銀ランプに特別な力を与えている理由です。オゾンもOのままでは働けません。分解して酸素原子(O)になって初めて効果を発揮するので、乾燥空気中では効果を発揮できないのはそのためです。オゾンで室内を消毒・脱臭する時は適度な湿度(60%以上)が必要です。

①②③の反応は我々の地球の大気圏で起こっているのです。オゾン層はこの反応式の通りに酸素と太陽の光で作られ、オゾン層が生体に有害な紫外線を吸収して、地上の生命体を守っています。その大気圏で起こっている壮大な太陽光の働きと同じ事を、石英低圧水銀ランプはランプ単一で地上において再現します。石英製水銀ランプは強力な殺菌力を示すと同時に、オゾンを作りそれを活性化して瞬時に働かせる事が出来るのです。実は活性化できる対象はオゾンだけでなく、塩素や過酸化水素も活性化します。